狐の子が新しいズボンを履きました。色は前のと同じで赤です。
一回り大きくてポケットが二つも付いています。
「いいな、とてもいい」
狐の子がお川の水に姿を映してうっとりしました。
水遊びをしようかと思いましたが、ズボンを汚したくなかったので止めました。
お昼過ぎ、草原へ出かけ行くと熊の子と兎の子に会いました。
狐の子がどっちらかがズボンに気が付いてくれるといいのにと思いました。
けれど、二匹とも遊ぶごとに夢中でズボンにはすこしも気が付きませんでした。
仲間入りして遊ぶうちに狐の子もズボンのことを忘れてしまい、転げまわったり、飛び跳ねたりしました。
やがて、夕方が来て空一面火のような夕焼けが広がりました。
「そらが真っ赤だね」
「狐君のズボンの色だね」
熊の子と兎の子が狐の子のほうを見ました。
そして、「あ、そのズボン」「新しいズボンだね」
口々に声を上げました。
「うん、ちょっとおっきいけど」狐の子は両手をポケットに突っ込んで、にっこりしました。
「いいよ、とってもいい」熊の子がいうと、兎の子も頷きました。
三匹は夕焼けの下を肩を並べて帰りました。長い影法師があとからついていきました。
うち子供小学一年のテキストの内容なんだけど、読んだら、ちょっと感動させられました。
動物も人間と同じ天真爛漫なふるまいには今から見てとても大事なことです。
夕焼けところを読んで、画面感も脳の中に浮かべました。
三匹の擬人化の動物、肩を並べて家に帰て晩御飯をたべて
なんときれいな画面のことか。とってもいい物語だ。